青森県  八甲田山上毛無岱・下毛無岱 1,168〜1,046m 

( かみけなしたい ・  しもけなしたい )

     

平成 20年10月11日 (土)
天 気    
メンバー   のろのろ風風
 → 一般道  ⇒高速道  …歩き
 10月10日(金)
 自宅発PM1:35→清滝IC(日光宇都宮道路)⇒津軽SA11:08(東北自動車道)
 (-_-)zzz

 10月11日(土)
 津軽SAAM6:20⇒黒石IC→八甲田ロープウエイAM7:12着  
 ロープウエイ山麓駅 8:47〜山頂駅8:57
 山頂駅発AM9:27…田茂萢湿原(たもやちしつげん)ゴードライン中間地点
 9:43…田茂萢湿原展望台9:48 10:03…高山植物展望台10:15 10:20…
 毛無パラダイスライン(宮様コース)分岐10:19…寒水沢の支流辺りと思う11:03
 (休)11:08…左:大岳避難小屋 右:上毛無岱T字路11:15…上毛無岱 木造の
 展望台11:4012:05…木造り急な階段12:15 12:25…12:3512:40…
 城ヶ倉、酸ヶ湯分岐13:26…酸ヶ湯温泉13:53
             
 酸ヶ湯温泉発バス14:10→八甲田ロープウエイ山麓駅14:22 
 駐車場発14:48→黒石市 津軽伝承工芸館15:52 16:36→黒石温泉郷 板留温泉
 旅の宿斉川16:40

 ポタポタと大粒の雨音とともに雷が鳴った。11日未明の事。これでは明日(今日)の山は駄目だな八幡平の散歩を先にして、八甲田山は次ぐ日にしようなどと、うとうとしながら思い又眠った。
 目覚めると曇空から一ヶ所青空が覗いている。これは行ける!

<地図はロープウエイHPからお借りしました。>
下毛無岱からの北八甲田三山
赤倉岳       井戸岳          大岳
 八甲田ロープウエイ駅に向う。黒石ICを出る頃には太陽が顔を出した。しかし八甲田山山頂方面は厚い雲の中である。
紅葉の最盛期はロープウエイ1時間待ちは、しばしばあるという。その駐車場に3番目に到着した。風が強い、この風が速く雲を運んで行ってくれないかなあと辺りを見回す。隣の車は京都ナンバーであった。
 始発は9時である。アナウンスがありハイシーズンの為準備が出来次第発車予定との事。15分前にロープウエイに乗った。『本日は強風のため、風速25mになりますと停止します。今、山頂駅は20mの風があります。』 あれあれ”行きは良い良い、帰りは怖い”なのかな?101人の乗客は皆、心配顔をしたが乗せていった人は連れて帰りますと従業員さんの話。
 まもなく発車した。ロープウエイ大好き夫婦であるが、このように完全に宙吊り状態のロープウエイは始めてである。

 眼下に紅葉の海原Aを見ているとあっという間に霧の中に突入した。完全なるホワイトアウト、四次元の空間ってこんなのだろうか?四次元なんて分らないがこうなのかな? すると、右隣の乗客が『黄泉の世界だね〜。』と、…おっと、怖いなあ〜心の中でつぶやいた。
 左隣の乗客が『あれっ!虫!』 私の肩に止まっていた虫を落としてくれた。同時に臭い! 私のおニューのフリースに臭いを残して床に落ちたカメムシであった。この臭いはしばらくついている あ〜ぁ。
八甲田ロープウエイ駅@ A

   山頂駅に到着、正に強い風と濃霧。「登山される方は登山用紙に記入して下さい。視界30m」とアナウンスがある。身支度を整えているものの心配になってきた。隣のテーブルでなにやら忙しそうに机上を整理している人がいた。見ると【山岳ガイド、ボランティア「無料」】の名札が下がった。既に女性2人組の人が頼んでいた。私達もその人達にご一緒させてもらうことにした。出発の段階になったら私達だけであった。
 ガイドさん付きで登山をするのは初めてのことである。今日、第1回目の【幸運】であった。その方は樋口さんCという。
山頂駅広場B ガイドさんの説明C 

  アオモリトドマツの話や高山植物の話を聞きながら歩くと、私達と同じような年齢のご夫婦Fと遭う。私が勝手にそう思っただけですが、違ったらごめんなさい。一緒に歩く事になった。第2回目の【幸運】
 70才になられたガイド、樋口さんから八甲田の四季や景色の説明を聞く『この田茂萢湿原展望台からは、草もみじの先に標識のような景色が広がっているんですよ。今日は見えないですね。E
田茂萢湿原D 晴れていればこのように見えます。E

この気象条件なので、私達の気持ちは”ゆっくり歩こう”山頂は止めようと決まっていた。 樋口ガイドさんも『もし、また八甲田に来たい気持ちがあるのなら、今日の山頂は踏まない方がいい。』という案内でした。そのような強風と視界の無い状態でした。 毛無パラダイスライン(宮様コース)入口でガイドさんと○○さんご夫婦とお別れです。G
横浜から来た○○さんご夫婦とF ガイドさんと○○さんとお別れG

 パラダイスラインは毛無岱の中央部を縦走するビギナーでも楽しめる下りがメインの登山ルートです。春、夏、秋と、季節ごとに表情を変える山々と登山道沿いに咲き乱れる高山植物が登山客を楽しませてくれます。
                                  <ロープウエイHPから引用>

 別名「宮様コース」という。ひげの殿下が通られたとかで名付けられたようだが、登山道は荒れ放題である。昨晩の雨で川のようになった道H、ぬかるみ、崩れた階段は腰の高さ位の段差あり、どこから見ても宮様コースとは思えない。
 でも、今日の私はいつもに無い妃殿下になりました(^^)
 ふっと山を見ると霧が晴れて瞬時、八甲田大岳Iが見えた。写真!とカメラを構えた。
登山道H 大岳I

 ぐしょぐしょ、びちゃびちゃの道も、もうそこまでという時になると、霧が晴れている。なんという恵まれた天気なんだろう。傍らで『ほら!晴れ男だろう!♪』 「そう 本当にそうだね〜♪」
 素晴らしい紅葉と360度の展望で充分満足する。まだまだこれからが本当に一番みたい場所です。上毛無岱湿原の木道を歩きJK、ゆっくり高度を落としていくと木の展望台Lです。ここでお昼にする。風は相変わらず強い。
上毛無岱J 上毛無岱K

 お弁当のハランがピュー!と飛んで行き捕まえるのが大変でした。湿原に落ちたりして何度も拾ってもらいました。コンビニで調達した弁当も美味しい。草紅葉の湿原の中で頂くお弁当はまた格別です。
 樋口ガイドさんが言っていた。『私は八甲田のキンコウカが一番好きです。今は紅葉していて絨毯のようですよ。よ〜ぉく、見ていってください。』
展望台にて昼食L

下毛無岱に向って歩き出す。やがて長い、木の急な階段290段に差し掛かる。正面の下毛無岱、俯瞰は「錦繍の絨毯」に池塘が散りばめられ光って宝石のよう。湿原の向こうは黒石市方面、手前は青い。左に目を移すと横岳・櫛ケ峰の南八甲田連峰がたおやかに望める。言葉が無い  き・れ・いーぃ!  右にはロープウエイ山頂駅が見える。後ろは北八甲田連峰、動くのがいやである。 もっと、ここにいたい 5段位下る。皆が止まって動かない、私も動けない、どうしたらいのか分からない位の美しさ。
急な階段よりM 階段上部から下毛無岱N
特に、紅葉時期の上毛無岱から下毛無岱へと下る階段付近からの眺めは絶景です。<ロープウエイHPから引用>

下毛無岱へ降りきって振り返ると、ここも素晴らしい眺めである。左手に大きくカーブした木道を下っていくと展望台である。ゆったりとくつろぐ。皆が感動の余韻にひたっているように思えた。心ゆくまで堪能したところで出発
降りて来たところN 南八甲田 櫛が峰、横岳O

 ここから先は太いブナの林の中の道となる。ブナ越しに大岳が見え隠れする。右斜面は紅葉の肌を見せている。。「今度は必ず登りますね。待っていててください。そしてお天気に恵まれますように」
 小さい沢を何回か渡り返し下っていくと右手に城ヶ倉温泉への道があり男性のパーティが半数に別れて下っていった。後の半分は酸ヶ湯温泉方面へと下る。眼下に大きな屋根が見えた。酸ヶ湯温泉Qである。山歩きのフィナーレが近づいてきた。
ぶなの紅葉P 酸ヶ湯温泉Q

『もう雨が降ってもいいよ。』と主人が言うと、本当にパラパラと降ってきた。
も・もう 少しまってください。せめてバスに乗るまで。

酸ヶ湯温泉は”ヒバ千人風呂”で名高い温泉だ。以前に入浴しているのでやめる。今夜の宿も温泉なのでそちらにどっぷりつかることにする。
到着R バス停S

もう一度、下毛無岱の景色

   今日のコースは、変更を余儀なくされた。悪天候でありながらも湿原を歩く時は太陽が出る。絶えず強風があるものの寒くもなく、歩く事ができた。
ありがとう。。。
下毛無岱の木道を歩く


黒石温泉郷 板留温泉旅の宿斉川
北東北の宿は料金も安く良い温泉に入れるところが多い。
ここは初めてであるが、おかみさんの気さくさと料理の良さが評判のようである。
偶然予約できた宿であるが、夕食は食べきれないほどの量
あの、きのこ汁を飲む事ができなかった。
釜飯も1つを半分づつがやっと…
蟹を沢山残してしまった。

隣の席に座った方は、九州の女性2名と男性1名
男性は(社)日本山岳ガイド協会認定ガイドさんでした。
お二方を案内して八甲田山に登って来たと言う。
明日は岩木山に登る予定と聞いた。
第3回目の【幸運】がここでやってきた。
沢山の山の話を聞きながらの食事

山で遭う同じ趣味を持った知らない人同士
ずっと前から知っていた友人に会ったかのように話が進む
どの山で遭う人も同じである。

自然が、山が、このような出会いを与えてくれるのであろう。
 →八幡平
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