6年前、H15年に一度登った。濃霧と強風で何にも見えなかった。足元の花だけが出迎えてくれて、8月を彩るように咲いていた。2度目の今回はどうしても馬場の小路のチングルマ群落を見たかった。昨年の夏より、この7月の第1週に目標を定める。私を取り巻く環境は、決して遠出して、などというものではないのだが、念願がかなって今回も秋田まで出向くことが出来た。山の計画が出来上がったところに、別の用事が重なった。それもどうにか段取りをつけて出発の段階に漕ぎつける。 |
|
|
|
天気予報と花の開花情報を仙北市のHPやブログで終始得る。天気はまずまず、当日午前3時30分雨で目を覚ます。午前5時30分には通行規制の為ゲートが閉まる。その前に通過して八合目まで行くことにする。午前5時20分通過。 |
|
写真に枠がある花 サムネイル表示
画面にマウスをあて、クリックすると拡大します。 |
|
|
|
八合目@登り口 |
八合目全景 |
皆が仕度をして出発している。雨もかなり強い、私たちは少しゆとりを持つ事にして、1時間弱仮眠をすることにした。目覚めると雨も小降りになっている。
いざ!出発!! |
|
ハクサンチドリ |
|
|
登山道に入るやいなやハクサンチドリが出迎えてくれた。その数は1、2本などという半端な数では無い。まるで「いらっしゃい♪」と言っているかのような数である。 次はウラジロヨウラク・イワハゼ(アカモノ)・オオバキスミレ・ベニバナイチゴが続きます。
|
イワハゼ(アカモノ) |
荒涼とした山肌A |
片倉岳展望台B |
今日も私達は【のろのろ隊】間違いなし、ガイドブックの1.3倍時間が必要なのはどの山でも同じのようだ。まして、今日は雨が降っているのでなおさらのことである。コンデジに雨がかからないように、カメラの上にはお互いに傘を差す。どっちが多いかと言うと、主人が傘をさしてくれているほうが多い。防水カメラが重宝だって…。贅沢!贅沢!その分、山へ行こう。 |
サラサドウダン |
|
サムネイル表示:画面にマウスをあて、クリックすると拡大します。
|
C |
硫黄採掘跡Aが荒涼とした山肌を見せている。前回は霧の為、見てない。右斜面がさあ〜っと、霧が晴れた。斜面一面がサンカヨウの群落である。ヒェー!と声を上げる私です。今日も熊鈴はいらなさそう。
『熊鈴をしまって!』と主人(ーー;)
酸化鉄の多く含んだ赤い土の片倉岳展望台Bに着く。雨もパラパラ、霧も晴れてC視界が開ける。エゾツツジとミヤマダイコンソウが、青く浮かぶ山を引き立ててくれている。
片倉岳展望台から阿弥陀池までは<百花繚乱のお花畑の中を歩く、メーンステージとも言うべき>とガイドにある。 |
オオバキスミレ |
「そろそろ阿弥陀池かしらね?」『まだまだ、だよ』という。歩く時の距離感、方向性、まったく、ヘンテコリンなことを言う私。6年前のことをすっかり忘れています。左に男女岳へ登っていく人達が見える。
阿弥陀池Dが見えました。静かな湖面に小波が立っている。男女岳に登る人達のリュックが小屋の外に一塊ある。団体さんだなっ。
小屋の前で絵を書いている人がいる。さっき見た花の名前を教えていただく、そこへもう一人加わった。さらに女性がもう一人、なにやら花談議がはじまる。『花の写真を撮りたいのなら今日みたいな日が最高ですよ。』と言われた。ムシトリスミレ、オノエランは初めて見た。いたる所に咲いている。 |
ニッコウキスゲ |
|
バイケイソウ |
|
|
阿弥陀池に向かうD木道左脇にウスユキソウが咲いていたそうだが、見落とした。『リュックをデポしてあった先に、エゾツツジが沢山咲いているよ。』と教えてもらう。情報交換は必要ですね
話は尽きないが、馬場の小路に向かう事にする。 |
男女岳 |
阿弥陀池Dへの木道、
男女岳側 |
|
タカネキスミレ |
|
|
|
阿弥陀池より左側 |
馬の背へ |
馬の背分岐E |
馬の背Eに出ると、ご夫婦が休んでいた。火口原から急な登りを来たらしい。『下り切った所に、シラネアオイの群生があるよ。』 と教わる。時たま方向音痴の私は横岳に進もうとしてしまった。主人に『こっち』と案内される。
急な火口壁のジグザグ斜面Fを下る。 |
イワカガミ |
|
サムネイル表示 |
サムネイル表示 |
足をしっかり取れば決して危険なところは無いが、それにしても急斜面です。 この時間は霧も無く、馬場の小路が見える。歩く人も見える。写真を撮ろう、しっかり足を置いて、体を安定させてからです。
斜面を下山中に6〜7組の人達とあう。皆、登って来る人のみです。 |
|
火口原G |
急な斜面を彩る
ミヤマダイコンソウF |
|
ミヤマダイコンソウ |
サムネイル表示 |
今日のコースは、八合目から左に巻くコースを選びました。「馬場の小路」のチングルマ群落が見たい。これが一番の目的です。
他にも沢山のコースが可能です。
谷間に、馬場の小路が俯瞰Gできる。ついにやってきました!! 木道両脇がうっすら白く見える。
|
オノエラン
|
チングルマと五百羅漢H |
シラネアオイの群落を見る頃には、急斜面も終わり、五百羅漢、女岳への三叉路の標識になった。(現在女岳への登山は薦めていない。)
【馬場の小路】男岳と女岳に挟まれた谷に、霧がかかると神様が乗った馬が
駆け抜ける音がする。という伝説から名がついた。
後ろを振り返る。今下って来た所Hと、五百羅漢がそびえる。 |
ショウジョウバカマ
ベニバナイチゴ |
|
チングルマが目に飛び込む。うわぁ〜! すごい! どうしたの?!
このような群生は見たことが無い。もう 言葉はいりません。。。。
…霧にむせぶ、チングルマ群を楽しみましょう。。。。 |
サムネイル表示 |
サムネイル表示 |
|
|
チングルマが終わりの場所に来た。後ろ髪を引かれながら歩く… |
サムネイル表示 |
シラネアオイ
タバコより大きい花
ミヤマカラマツ |
|
|
|
駒池Iの残雪からシラネアオイが芽吹いている。生命力の強さ、自然の強さを目の当たりにした。
かたがり泉水Jの淵に、ヒナザクラが咲いていた。雪田の融雪を待ち構えて咲く花、可憐で可愛い。月山のヒナザクラを見たくて再チャレンジしたが見ることが出来なかった。 |
ヒナザクラ |
|
|
|
Iシラネアオイの芽吹 |
駒池I |
かたがり泉水J |
ミヤマキンポウゲ |
ここ、かたがり泉水にヒナザクラが咲いているのに、勇者のチングルマに気を取られて、ヒナザクラよ、御免なさい。ちょっと寂しそうです。
阿弥陀池から雨は降っていない。雨が降る前にチングルマに囲まれたここで早めの昼食にしようと木道の広めのところに座った。コンビニのお弁当ですが、美味しいです さ さっと、お弁当を済ませて再スタートをする。
|
|
|
景色が180度違う場所に突入した。まるでタイムスリップしたよう。黒色の火山砂礫の上に無数のこまくさが咲く、霧に覆われた為に水滴がつき、さらに首をたれているコマクサ。目線を落とすと砂礫の黒、コマクサのピンク、霧の白と三層の色
|
|
ムシトリスミレ |
火山砂礫の登山道 |
国見温泉と横岳への分岐K |
ウラジロヨウラク |
1m弱程の登山道↑が斜面についている。何処を歩いているのか…というような不思議な世界である。時に霧が晴れると、左手上に分岐が見える。国見温泉と横岳への分岐Kである。これからはサラサラした火山砂礫を歩く、向かい風の強い日は体力を消耗するので評判が良くないようである。風も無く霧が時々邪魔をする曇りの今日は絶好調…。と言いながらもザザァー!と足をとられたり、ズボッとなる。楽しんじゃいました。
|
|
サムネイル表示 |
岩手県標識L |
コケモモ |
コマクサの群生は、日本最大群落といわれる大焼砂↑↓ 風の強い火山砂礫の地を選んで咲くコマクサ、他の植物が生育できない。
ちょっと、花数が少ない感じである。そういえば、『今年は少し早いのかも』と言われていた。 |
|
コマクサ
タカネキスミレM |
|
さっき、お昼を食べた馬場の小路の木道が見える。雪渓の下あたりです。
砂礫斜面の筋は、コマクサの帯です。
写真撮影用に持っていた傘を杖代わりにして2本ステッキで、ヨッコラサ、ヨッコラサと登ると、岩手県Lに入りました。 |
サムネイル表示 |
|
横岳が見えます。大焼砂の群落にタカネキスミレが咲いている。この2種類だけがこの大焼砂に生息する植物です。黄色の斜面Mも素晴らしいです。 |
エゾツツジ |
|
横岳山頂にむけて、ミヤマダイコンソウが斜面を覆う。ハイマツの中→にミヤマハンショウズルが咲いていた。右斜面を見るとエゾツツジが咲いている。ここは花びらをいっぱいに広げ、濃い赤紫が美しい。
『この花は何んていうのですか?』と聞かれ説明をする。南限である事も付け加えさせてもらった。
|
|
|
横岳山頂Nはそれぞれの人が集う。山頂に集結する登山道は、3本ある「焼森へはどの道ですか?」と訪ねる。
とその方は、腕章をした管理事務所の人であった。
焼森山Oまでの間は、深い霧に覆われていた。山頂が見えないなと思った途端に、さぁー!と晴れて展望がきく。
まるで大きなボール↓の上にいるような山頂は賑やかである。初めて2人の写真を撮ってもらう。 |
マルバシモツケ |
横岳N |
|
|
|
サムネイル表示 |
ホソバイワバベンケイ |
焼森山頂O |
焼森山頂O |
焼森山頂からわずか下った所 |
湯森山Pとシャクナゲ |
八合目に向かってシャクナゲコースを下りだす。休んでいる人がいた。先ほど横岳で、道を教えてもらった管理事務所の方でした。山名を教えてもらったりしてから、下山道の注意も教えてもらい心強い。 |
|
|
|
シャクナゲが始まり、くぐりながら進む、赤倉沢Qに到着、沢にて手を洗う、冷たい水である。頭をもたげるとミネザクラが満開、足元にはシラネアオイ・ベニバナイチゴ・ミヤマハンショウズル・サンカヨウが咲いている。ここでも”ようこそいらっしゃい♪”と言われたようだ。 |
赤倉沢Q |
|
シャクナゲコースというに相応しい程のシャクナゲが咲く。シャクナゲ越しに、先程の焼森山、下る先 正面には湯森山P美しい。 |
|
|
ミネザクラ |
|
|
|
登山道の梯子 |
八合目より焼森入り口 |
八合目@ |
ベニバナイチヤクソウ |
歩きにくい段差には梯子が置かれ、他の場所には鎖もあった。行届いた整備に感謝です。 |
|
|
|
期待を裏切らない山、大満足の山、花・花・花の山も八合目が近い。
何と!救急車のサイレンと消防車のサイレンが聞こえます。怪我人かな?病気かな?と思いをめぐらす。
八合目に到着しました。 |
サンカヨウ |
靴の泥を洗う |
|
救急車を取り巻く人に何があったかを聞いた。片倉岳展望台で怪我人とのこと、救助に向かうそうです。心配です。 |
|
|
マイカーで乗り入れた人は、定期バスの時間に合わせて帰路を取ります。八合目に付いた時にバスは発車したので、この次は30分後になります。疲れを癒しながら仕度を整えていると、乳頭温泉やマイクロバスの乗務員さん、運転手さんが話しかけてくれました。
『山はどうだったかね?』と言われた。方言が強いので、聞き取ってからお話をさせてもらうのに少々時間がかかった。気さくな人達で、山・花・秋田県・群馬県の話で盛り上がる。
秋田県良い所
秋田駒ケ岳、良い山・花の山、 来て良かった。登れて良かった。
|
|