福島県   尾瀬沼・大江湿原 1,660m         

●群馬県北西部、福島・新潟との県境に広がる尾瀬は、尾瀬ケ原の広大な高層湿原や山上の湖・尾瀬沼、そして、燧・至仏の二つの名峰など、美しい景観と貴重な動植物に恵まれた大自然の宝庫である。特に5月下旬から6月上旬にかけてのミズバショウの時期には全国から多くのハイカーが訪れる。
尾瀬沼は、その尾瀬の東に位置する、東西2㎞南北1.2㎞の湖で、燧ケ岳の噴火によって誕生したせき止め湖である。湖畔には尾瀬沼山荘・長蔵小屋など宿泊施設も完備し、手軽に尾瀬の魅力に触れることができる。  【上毛新聞社刊 「群馬の山」より抜粋】
 
●豊かな自然をたたえる尾瀬。
 至仏山や燧ヶ岳の2,000メートル級の頂に囲まれ、さまざまな希少な動植物の生命をはぐくむ尾瀬。遅い雪どけから秋に再び雪を迎えるまでの短い時間、そこは命あるものの活力に満ちあふれます。色とりどりの可憐な高山植物、小さな体を震わせながら歌う小鳥たち。尾瀬はまさに天上の楽園です。(中略) 豊かな自然が残る尾瀬は、1,934年には日本で4番目の国立公園に、1,960年には国指定特別天然記念物に、そして2,005年には、ラムサール条約登録地に選ばれました。
 尾瀬の湿原は、1,960年頃の尾瀬ブームで湿原が踏み荒らされ荒廃するなど、環境の危機に直面したこともあります。しかし、多くの人が熱心な自然保護活動を展開し、緑の回復に効果を上げてきました。尾瀬の約7割を所有する東京電力も、木道の整備や周辺の戸倉山林への植林など、尾瀬の環境保全に多くの時間と労力とを提供してきました。尾瀬はまた、日本の環境保護活動の先駆的試みを続けてきた地域でもあります。  【尾瀬山小屋情報サイトより抜粋】
平成22年 7月18日(日)    
メンバー: 知人ご夫婦 のろのろ風風 
赤線=往路
青線・赤線=復路
 緑線=シャトルバス

 自宅発AM3:58→4:28知人宅4:38→草木ダム→清滝IC⇒今市IC
 →日光市鬼怒川有料道路→温泉手前朝食・昼食調達→日塩有料道路→
 五十里湖6:30→(121号)→田島道の駅→(352号)→七入駐車場7:50着 

 シャトルバス乗車8:10→沼山峠休憩所8:50 片道¥700
 沼山峠休憩所9:00…沼山峠9:37 9:45…大江湿原入口10:10…
 小淵沢田代分岐10:20 10:25…平野家墓お参り10:42 10:47…
 長蔵小屋11:05PM12:20…沼べりからビジターセンター12:26 12:37…
 湿原出口13:02…(休)…沼山峠手前13:33 13:40…沼山峠休憩所14:00
                                    歩行数 13,453歩

 沼山峠休憩所シャトルバス14:12→御池停車→七入駐車場着14:52

 駐車場発15:00→桧枝岐 燧の湯15:08裁ちそば まる家
  16:43→道の駅田島17:38 18:00→知人宅着20:25→自宅着21:00
                                 
走行距離往復 408km
過去との比較     
平成17年 7月23日 サムネイル表示  
画面にマウスをあて、クリックすると拡大します。
平成18年 7月29日
サムネイル表示
今回 平成22年 7月18日
サムネイル表示
過去に訪れた、ほぼ同じ時期の大江湿原の様子です。ニッコウキスゲの減少が如実に分かります。 

AM
7:50










 ♪夏がくれば思い出す はるかな尾瀬。。。♪
 今年もニッコウキスゲの季節がやってきました。ニッコウキスゲを見ようと計画が出来て、4人のメンバーとなりました。7月5日頃から始まった梅雨終盤の集中豪雨は北九州や中国地方に大災害をもたらした。それから数日して17日関東甲信越に梅雨明け宣言が発表された。途端に猛暑に匹敵する暑さとなった。
 大江湿原から尾瀬沼に入る計画なので、それなりに情報を集め御池駐車場からシャトルバスに乗る予定で出かけましたが、とんでもありませんでした。

七入駐車場
8:10

8:50





9:00

 7時50分七入駐車場に沢山の車が止まっています。途端に交通整理の人に車を止められました。『もう 御池は満車なので、ここにマイカーは止めてバスで行って下さい。』という。
あらっま~。今年で4回目ですが、ここからバスは初めてです。もっとも 昨日から3連休です。夏のレジャースタートの休日ですもの当然の事かもしれません。
 車を止め仕度をしてバスへ乗車、あっと言う間に大型バスが満車です。むんむんとする車内、エアコンは最後尾まできいていません。窓を開けると涼しい風が入ってきました。ゆられる事40分で沼山峠休憩所の登り口に到着しました。

七入駐車場 有料 シャトルバス
9:37







9:45
 軽く体操をして歩きだす。オオシラビソの樹林の中を進むと標高1700mと高くなったせいか涼しさを感じながら登る。両脇には朝露とも、雨だったとも、とれるかのように木道や花々が濡れていた。
 やはり、今日は尾瀬でも最高気温27℃の予報が出ている兆しで暑いです。ぽたぽた落ちる汗、ぬぐいながら登ると沼山峠に到着した。真っ青な空に、深い木々の緑、所々に白い雲、尾瀬沼も見えて最高です。

沼山峠休憩所登り口 沼山峠

 沼山峠休憩所~大江湿原までの林道で出合った花
エンレイソウ ゴゼンタチバナ ギンリョウソウ
 エンレイソウ  ゴゼンタチバナ  ギンリョウソウ  ハナニガナ
オオレイジンソウ トリアシショウマ ズダヤクシュ モミジカラマツ


10:10



   
 沼山峠から順調に下って湿原に入る!途端に広がるニッコウキスゲ!?
と想像していました。ニッコウキスゲが、ちらっ ほらっ! しかありません。湿原に入ると風とともに甘い香がしてくるはずだったのに、黄色がありません! どうしたんだろ? 過去との比較を見て下さい。こんなに違うんです。
 
 

湿原に入って小淵沢田代分岐
   湿原には、6月のワタスゲが一面にある。季節を間違えているのでしょうか? 頬をつねってみたい心境です。これって錯覚ですか? 「以前はニッコウキスゲが一面だったんですよぉ~。」としきりに呟く私。ニッコウキスゲの最高の時は無理であってもそれなりに期待してお連れしたご夫婦に申し訳ないです。『花はその年によって違うから大丈夫です。』と、言われ慰められる言葉にとても安心しました。  
一面のワタスゲ

大江湿原で出合った花 
サワラン 林道と湿原で出会った花
アカモノ・アヤメ・ウラジロヨウラク・オトギリソウ・ギボウシ・コケモモ・ツルコケモモ・シラタマノキ・タテヤマリンドウ・トンボソウ・ネバリノギラン・マイズルソウ・モウセンゴケ
サワラン シロバナニガナ ニッコウキスゲナ
 
 バイケイソウ ヤナギラン  ワタスゲ  アザミ
ハクサンチドリ ヒメサユリ 岩魚 ハクサンシャクナゲ

10:20


 10:25



  
 小淵沢田代分岐に来ました。やっと、ここでニッコウキスゲがそこそこ咲いています。でも良く見るとキスゲの葉部分が変です。蕾がそっくり無くて、茎だけが伸びています。後続の方が『鹿に食べられたんだよ。』とおっしゃった。成る程!そうだったのか~と思った。
 
 記録を作成しながら尾瀬沼ビジターセンターに電話をする。
 ビジターセンター職員から聞いた内容は、
  1.鹿の食害
小淵沢田代分岐 
10:42

10:47
 
  2.芽吹き頃に霜の被害
  3.1と2の他に自然環境が起こす変化等
 以上の様に話された。

過去との比較を見ていただくとお分かりのように、難しい事は分からない素人の私でも尾瀬は大丈夫なんだろうかと心配になってしまう。

 平野長蔵家のお墓をお参りする。ここから見る大江湿原方面越しの長蔵小屋は堂々と立ち、緑に囲まれていた。

平野家墓より長蔵小屋方面
 

10:48
 
 長蔵小屋手前のニッコウキスゲの絨毯を一列に歩く登山者が沢山見える。今はニッコウキスゲの時期、最高の混み具合ではないでしょうか。私達もそちらに向う。丘から下る途中にヤナギランがこれから咲こうとする蕾をたずさえている。
 サムネイル表示

平野家の丘を下った所
10:56


 ”3本カラマツ”が見えるポイントに到着した。ここは撮影ポイントという事で、木道は渋滞です。歩き出すものの自分が止まって撮る事の方が悪いように思える。
この辺りでは、ニッコウキスゲが満開です。そうー!いつもは、ニッコウキスゲの咲き方はこのようなんです。
 
 

サムネイル表示

;3本カラマツと尾瀬沼
11:00


 浅湖湿原(あざみしつげん)方面から来た登山者が、何やら川の中を覗いている。岩魚が泳いでいるのでしょうか? 向こうの木道から私達の行列を見たらきっとすごい!列と思っているのでしょうね。
 お腹がグッーグーとなりました。早朝の出発で早くに食べた朝食、途中で行動食らしきおやつは食べましたが、お腹がすきました。そろそろ目的地の長蔵小屋前です。

浅湖湿原への道に集う人達
11:05





12:20
 
 お昼の主食は途中で買ったコンビニおにぎりです。特別メニューは尾瀬の清水で、味噌汁とコーヒーを飲みます。ガスコンロを持参しました。コンロも最近登場回数がめっきり減っていて今日は活躍をしてくれる筈です。
 座るためのシートを敷きたいのですが、あまりにも混んでいて適当な所がありません。木陰のベンチは空く様子も無いので、陽のあたる暑い場所に腰をおろした。
 水が美味しいです。そして味噌汁とコーヒーも美味しい。満腹です。 

長蔵小屋
 
 食後は、沼べりを通ってみようと長蔵小屋の裏手にまわる。
 
 ビジターセンター前に設置してある望遠鏡を覗くと、燧ケ岳の俎嵓山頂の人達が見える。それも所狭しといる。あちらも混雑なんですね
燧ケ岳・尾瀬沼・大江湿原
12:46


 帰りの木道歩きは太陽を背にあっついです。
 来るときに気ずかなかった湿原の草が倒れていました。おそらく人が木道から落ちて出来た穴です。
 青空に雲がとっても綺麗です。青・白・緑・黄色と彩を楽しんで歩いています。あの雲は雷雨になるかな?

大江湿原 
13:02


 黙々と歩く。
 さて湿原も終わり、これから林道の登りが待っている。それにしても綺麗な空。
 湿原入り口に設置してある入山センサーは何人をカウントしたんでしょう。

 湿原から林道に入ると木陰で沢山の人が休んでいました。予報通り尾瀬は27℃になったなあ~と、感じました。
 朝 往路の時に、この辺りで花の詳しい若い男性に会いました。

湿原出口
  ズダヤクシュがとても大ぶりで頭を捻っていると『ズダヤクシュですよ。ズダとは喘息のことで、長野県で言います。薬種は薬草の意味です。』 あまりにもお詳しいので思わず 「お仕事は何をなされているのですか?」と、同行の奥様が聞かれた。『ここの担当と言うのがあっています。今日は家族サービスで来ました。』 私は直ぐに質問をしてしまいました。これは? 『オオレイジンソウです。』
トリカブトの白に似ていますが?    『トリカブトの仲間ですよ。』
トリカブトって白花はありましたよね? 『ああ ありますね~。』
私はトリカブトの白と、オオレイジンソウの区別がつかないでいました。面目ない!葉があまりにもそっくりでした。

沼田街道を沼山峠に進んで休憩
14:00




14:12

14:52

 登りは、こんなに長かったかと思った。沼山峠まで2回の休憩で到着しましたがスルーして下山をした。途中 ゴロゴロ!!と聞こえた。やはり雷が発生です。
 沼山峠休憩所のバス停からエンジン音が聞こえて来ている。男性達は一足先に降りてバスの順番を取っておいてくれるようです。無事下山、到着です。
 バス停は大型バスが2台待機していて、列が乗り込むと、『七入駐車場行きは、少々お待ちください。』と言われる。それでも直ぐに、バスに乗車出来た。

有料 シャトルバス
 七入駐車場まで40分、御池で4人乗車した。もう満員です。
 広い広い駐車場は風が吹き爽やかでした。身支度をして日帰り温泉に向う。今日の人出が日帰り入浴の桧枝岐 燧の湯でも超満員でした。裁ちそば まる家にて蕎麦を食べる。汗を流したはずの温泉が人混みで暑くて、蕎麦を食べながら涼んだ。すると雨です。良いタイミングで下山しました。 


その後、休憩を挟んで車は順調に走り、何事も無く家に到着しました。 
 今日一日 全てに感謝です。
 。。。。ありがとう。。。


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