青森県西津軽郡鯵ケ沢町 ミニ白神 358m                 

●白神山地
 白神山地は、青森県西南部から秋田県北西部にかけて広がるおよそ130,000haの地域を指し、ブナの原生林を主体とする山地です。その中で世界遺産登録
 地域は、17,000haであり、そこには国の天然記念物のクマゲラやイヌワシをはじめ、学術的にも貴重な動植物が生息しており、極めて価値の高い自然生態
 系が保たれています。ブナの原生林の圧倒的な自然、そして、白神山地でしか見ることのできない貴重な動植物の数々は、ここを訪れる人々を魅了して
 やみません。
●ミニ白神
 鰺ヶ沢町は、津軽藩発祥の地で藩政時代は藩の御用港として栄えた町です。「ミニ白神」は町の中心部から南へ車でおおよそ30分ほどの黒森地区にあり
 ます。世界遺産に登録されている地域は、そこからさらに20km南にありますが、この地域は白神山地に抱かれています。「ミニ白神」のエリアはもとの藩政
 時代の田山で、田圃の水を確保するために禁伐林として地元の人々に大切に守られてきました。そして、明治以降は土地は国、生えている木は地元民と
 いう「官地民木」の全国的にも珍しい形態で今日まで保護されてきました。
 およそ52haのエリアは、人の手が加えられておらず、樹齢200年を超えるブナも見受けられ、白神山地核心部同様の森林景観を保っています。
                                                  【くろもり館発行 パンフレットより抜粋】 
タイトル写真:張出遊歩道
●参考 鯵ケ沢町役場
平成22年 9月22日(水)  赤線=往路・復路

 自宅出発18:40→R353→大間々→日光P 8:25(夕食)8:50→清滝IC
 ⇒(日光宇都宮道路)⇒宇都宮Jct 21:11⇒(東北道)⇒郡山Jct 22:18⇒
 国見IC手前ゲリラ雨⇒蔵王PA23:13 23:27⇒村田Jct 11:33⇒長者原SA
  0:15(泊)
                         走行距離 392..5km
平成22年 9月23日(木)    
               のろのろ風風
 長者原SA6:58(ガソリン給油)発7:25⇒前沢SA8:00(朝食)8:40⇒北上Jct
 8:54⇒花巻Jct 9:04⇒安代Jct 9:50⇒大鰐弘前IC10:36¥1,000→道の駅
 ひろさき10:40 11:00→くろもり館12:00
 くろもり館外回りコース12:40…(左まわり)…内回り分岐…聴診器箱
 13:42 13:50…熊の爪跡
13:58 14:03…張出遊歩道14:10…水源地
 わき壷分岐
…わき壷14:39 14:45…外回コース合流点14:58…やどり木
 見学
15:03…くろもり館15:04
 くろもり館発15:12⇒津軽岩木スカイライン入り口15:55→弘前市内16:30
 給油・デパート→東横イン弘前駅前18:10泊
 
                        本日の走行距離 355.5km
表示: ⇒有料道   → 一般道  …歩き Yahoo! JAPANマップ

   シルバーウィークは何処へ行こうか?考え始めた。いつも、お出掛けの宿を予約するのは、早くて出発一週間前が通常となっている私達です。今年は猛暑で紅葉は10日程遅れている見通し、早いと分かりつつも東北が良いと決まる。
 山は必ず登る事、岩木山がいいなあ~と隊長の案で決まる。私は夕焼けを日本海側で見たいと希望して一泊は不老ふ死温泉に予約を入れる…が満員でした。キャンセル待ちとなり、待つこと約1週間でキャンセルが出て泊まれることになった。そこから具体的な計画となった。五能線の電車も見たい、やはり十二湖の青池も見たい、ミニ白神も歩こう! 
 
このコースはH18.7.14~17に見学したので再訪となる。【岩木山の記録と重複】

12:00




12:40
 H18.7.15この時は、くろもり館ミニ白神に午後4時過ぎに到着して見学出来ませんでした。4時で入山終了でした。今回は時間内に到着の計画です。
 昨日と今朝、東北道を走っていると雨がかなり強いのでくろもり館に電話を入れた。曇りで雨は落ちてないという。
 

 くろもり館 ガイドさんと待ち合わせ  

12:48



 天候の問い合わせと同時にガイドさんを頼みました。
世界遺産といわれる白神をもっと詳しく知りたいと思った。12時40分に今日の3回目、午後がスタートするという。
 途中、道の駅ひろさきで手作りパンを買ってきた。駐車場の車の中で食べて時間調整をする。
 ミニ白神入り口 説明を受ける
13:00


 
 全員で6人となりました。湿った土地なので長靴を貸してくれたが、私達は登山靴で入山した
 入山一歩目に感じた事: が綺麗 空気が美味しい
森、湿原、林でもない、やはり森なんだろう。
 ガイドさんは【あじがさわ白神山地ガイド倶楽部】の方です。正直申し上げると、東北弁がきつくて最初は良く聞き取れませんでした。しかし、花の名前、木の名前を聞いているうちに語調がわかり温かみのある話し方に馴染んできました。

 
 
 
 変形ブナ
 
       ガイドさんから木の名前が次々と飛び出します。知らない木が次から次へと出てくる。一生懸命書取りますが、何回も聞き直す場面も登場しました。
 『サワグルミは箸になりますよ。』なんていう具合に覚えやすく説明をしてくれる。
 花の名前はそこそこと分かる。ここは北海道に近い為にほとんどの名の頭に【エゾ】が付く、「エゾアジサイ」と言う具合である。
  小動物の巣 イワガラミが巻きついて
 13:30



  キノコ ヒラタケ
手のひら程のキノコ  変形ブナ
13:40


  トチバニンジン サラシナショウマ ユキザサ エゾトリカブト
13:42

13:50

 
 ほぼ半分コースを回って、聴診器のある所にきました。『さあ聞いてご覧なさい。』と人数分の聴診器を渡された。
 まず、感心したのは聴診器って音がこのように聞こえるのだ ということである。 一人の人が『聞こえる!』 また、違う人は『わからない?!』という。ザワザワ音はするものの水が落ちるような音は聞こえませんでした。
 
   聴診器箱のある所  ブナの木に聴診器をあてる 
   ガイドさん曰く、”この季節は、聞こえませんえん!” えっつ! ジョークとも取れるお話に皆が笑う。
ぶなの木の中を、水が通る音は滝の音のようだといいます。春でないと駄目だそうです。

         
ツリバナ ホウチャクソウの実 ツルリンドウ ツルリンドウの実 
13:53


 倒れたブナの木の年輪を見ながらブナの木の一生を聞く。
何十年、何百年生きているブナでも、中心部は、枯れてスカスカです。樹皮の3~5cmで水分を吸い上げて生きているそうだ。古木であればあるほどにもろくなるそう。ちょっと人間と同じ、生命あるものの”はかなさ”を感じた。
   ブナの年輪を見学 キノコ 
  ●ここまでに説明のあった(記録してない木の名もあります。)見学した順
クロモジ(楊枝になる) ・漆・ナラブサ・イタヤカエデ(100年で枯れる)・ユズリハ(門松に使用)・アズキナシ・マンサク・ヒメアオキ・ミズナラ・サワグルミ(箸になる)・オニグルミ・イワガラミ(つる)・コウヒョウ・イヌツゲ・アオタモ(バットの木)・ミツバアケビ・ハクウンボク(印鑑)・キブシ・千島笹・クサイ
●ここまでに説明のあったキノコ シダ
エゾアジサイ・ノコンギク・アオモリアザミ・アキノウナギツカミ・ハイドクソ・トチバニンジン・両面シダ・十文字シダ・モミジガサ(シドケ)・蕗・サラシナショウマ・ミヤマイラクサ(別名:アイコ 皮をはぎ布を織る)・コウライテンナンショウ(マムシグサ)・ミズ・ワサビ・ツリバナ・ホウチャクソウ・クルマバ・オオウバユリ
13:58



14:03
熊の爪跡 シラネアオイの実 栃の実 オトコエシ
   熊の爪跡がブナに残っている。ひゃ~!と思って見る。
白神山地を体験したいのだが”熊”が恐いと思い、ガイドさんを頼んだのも一理有りです。ガイドさん曰く、今は多くの人がミニ白神に入山するので、熊が遠慮しているそうです(笑)
 ”熊もこの木に登ってどうする木(気)だったんだろう?”なんて洒落もおっしゃた。
 
 
 
  タマゴダケ 
   タイトル写真:張出遊歩道の所まで来ました。ガイドさんが、何故ここは下草が無いんしょうか?と皆に問いかけてきた。
う~んと考えるが答えが出なかった。答:日中に太陽の光線がまったく入らない場所という。 このミニ白神では、ここだけにしか無い光景という。なるほど。。。うんうんと、うなずく。この木橋を登り上げた所が、最高地点標高385mです。
 タマゴダケ発見! カメラに収めながら進む、少し遅れている私を、皆が待っていた。
14:22





14:30
 この辺りでは、ガイドさんと仲良しです。 私を待っていながらガイドさんが他の皆に『あの奥さんなら名前が分かるよ(^^)(^^)』と話していたそうです。私にクイズを出してきました。正解!
 次は紫式部の青い実の所で待つ『これは?』と聞かれる。正解! 聞かれた質問は何問あったかな? 正解率は85%位でした(^^)
 
   本日のガイドさん わき壷近くにかかる橋
14:39

14:45


 楽しい問答の後は、お別れがやってきました。このグループは外回りのコースです。私達は折角、白神まで来たのだから中回りコースにあるわき壷を見たいと希望を出す。と、承知をしてもらえて別々に進むことにした。他の皆さんはバスの時間がせまり無理であった。
 2時間超の間、この森をご一緒に過ごせ楽しかった。飽きること無い説明をしてくださったガイドさん、ありがとう。
 
 
 わき壷 休憩所 わき壷 
  
枯れ木に生えたキノコ クサキ モミジガサ(シドケ)花 ミズ
14:50


 
 関東から来たご夫婦が、ガイドさんと歩いている。前に後ろになって私達も半分はお仲間入り、わき壷へは標高40mを下ります。ガイドさんから『足元に気を付けてください。』 と促される。森との出会いもさることながら、人との出会いが言葉に表せない位に貴重なものになる。自然・山が与えてくれる精気なのだろう。
 
 
 自然は時に、不思議な現象を起こす。
   ブナの木と一緒に生える木 ナナンカマドの宿木 ブナ
 14:58



 ブナにからまって生育した木を紹介されたが何の木か、忘れてしまう←(おろか)
そして、水源地わき壷から外回りコースへと合流した。

●ここまでに説明のあった
アクシバ・紫式部・ガマズミ・シキミ・クサキ
・コマユミ・ナラ
・ホウバ・トチ
 
 
外回コース合流点⑦ わき壷分岐
11:59


 
●ここまでに説明のあったキノコ
クルマバ(7枚 8枚 9枚とある)・シラネアオイ・オトコエシ
・ヌスビトハギ・アキノキリンソウ・ギンリョウソウ

 水を何万トンもたくわえるブナもサルノコシカケがつく頃には、その生涯が終わるそうだ。樹幹の中は、人の骨で言う骨粗しょう症状態だ。ブナは成長するにしたがって、根から毒素を出していく。そのために一定の範囲に一番元気なブナだけが残り、他のブナは衰弱して枯れてしまうそうだ。
 
  サルノコシカケがついたブナ 枯れたブナ
15:03



 ガイドさんの【ナナカマドにまつわる話】
 嫁にご飯を炊けと木を渡す。なかなか燃えない。何回、かまどにくべるものの燃えない。七回くべても燃えなかったのでナナカマドと名がついた嫁いびりの木。
 話を聞きながら、あっらっまぁ~…
 


 歩き始めて2時間超は、あっという間に終わった。外回り一周とわき壷のある水源地へ寄って、くろもり館に到着する。
 
 
ナナカマドの宿り木 
15:04



15:10
  水源地から湧く水がながれて足洗い場を作っている。小滝のように落ちる湧き水を飲む、冷たく、やわらかくて美味しい。この水で泥のついた靴を洗うのは何と勿体無いんでしょう。
 閉館まで少し時間があるので館内を見学する。お茶が用意されていた。
 ガイドさんと回るのは八甲田山以来の事である。自分達で調べた資料も大切であるが、ガイドさんの案内は、やはり違う。
良い体験をしました。
 
 くろもり館 
H22.09.24 岩木山  H22.09.25十二湖・男鹿半島
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