|
山が大好きな私達夫婦に朗報を頂きました。その方は、我隊「のろのろ風風」が尊敬する方です。【尾瀬のアカシボ(赤渋)】の情報でした。尾瀬沼や尾瀬ヶ原、アヤメ平には何度入山してるか分からないのに、この「アカシボ」の存在は知りませんでした。無知というのは、このように視野を狭くしているのだと思いました。
”アカシボ” その現象は融雪時に見られるもので一年に一回、僅かな期間に発生するという。聞けば聞く程 見たい! 見たい!という思いに駆られました。22日(金)なら尾瀬に入れる計画となり、尾瀬保護財団、すいすい尾瀬なび、片品観光協会等に尾瀬の情報を聞いた。鳩待峠からの登山道には6割近く雪があり、気温も低いので万全の支度をするよう指導を仰いだ。雪山をしない我隊は無理と諦めた。仕方がない。。。
翌朝(22日)目覚める。”やっぱり尾瀬に行きたいね。行ける所まで行くことにしよう”で出発をする。時間はもう午前7時です。ドタバタ用意をして出かけました。
|
|
|
|
津奈木の【通行可能】標識を見ながら進む。今日(22日)夜19時より交通規制が始まる。
駐車場に着いてみると、5月21日の山開きの情報で満車状態だ。なんとも身軽な格好の若者達と山屋さんが入り混じっていた。沢山止まっている車の2/3は、県外ナンバーでした。 |
鳩待峠へ通行可能の標識 |
駐車場と至仏山 |
|
|
|
鳩待の穏やかな朝、駐車場の隅には3m程の高さに除雪された雪の塊がある。
真っ青な空と残雪のある至仏山、鳩待峠〜至仏山間は、【6月30にまで通行禁止】とロープが張ってある。 |
鳩待峠休憩所 |
登山口 |
|
|
|
入山探知機を過ぎると直ぐに雪がある。丁寧に一歩一歩、歩く。一回目の雪、二回目の雪。。。数えていたけれど途中で分からなくなった。多過ぎる。この雪道で一週間前には、遭難があり亡くなられたそうだ。もっともっと雪があったそうだ。 |
最初の雪 |
小至仏山〜至仏山の稜線 |
|
|
|
その様な事があり、赤い紐やロープが所々にあって迷う事も無く行けるようになっていた。
今日は晴天です。空が綺麗、また新緑が良く映えて眩い。
のろのろ隊は、注意を払って山の鼻に向かいます。
突然!ズルッとすべる。
『どうしてお母さんは転ぶんかな?何処の山でもころんでおっちょこちょいなんだから……(山の名前を上げる(ーー゛))』
「はい はい 気をつけます」←その通りです。 |
H26年に新設されたピカピカの木道 |
雪渓と新緑と青空 |
|
|
|
|
標柱が埋っている |
川上川 |
|
|
増水のヨセ沢を渡る |
雪に隠れている木道 |
融雪水が川幅いっぱいに流れる |
|
|
今日は4本爪を持参してますが、登山靴のみで歩く。時々ずるっ!ずるっ!と足を取られる。
雪、木道、新緑とこの三つがリズム的に目に入る。下り一辺倒の山道に神経を集中する。 |
ちょっとメガネのように見える残雪 |
初めてお目見え水芭蕉 |
|
|
|
山の鼻が近くなった頃に、水芭蕉の咲くポイントに到着、雪を割り、しかも冷たい水の中に咲く水芭蕉は、とても可憐です。 |
雪の上をまっしぐら山の鼻へ |
ちょっとスリムな水芭蕉 |
|
|
尾瀬に似合う花 |
|
|
|
山の鼻ビジターセンターが見える |
燕がとんでます |
「 山の鼻」標識前 ツバメを見てる登山者 |
|
|
山の鼻で休憩も取らずに、まずは研究見本園へ歩を進める。逸る思いは「アカシボ」 を見たいのであります。 |
研究見本園内 至仏山に通ずる木道上 |
|
|
見とれてしまう 尾瀬ならばこその風景 |
至仏山に通ずる木道の水芭蕉 |
|
ご対面〜〜!
一年に一回、それも僅かな期間に発生するアカシボ現象に遭遇し足が止まりました。言葉に表せない位 神秘的な現象に唖然とする。太古からのメッセージを頂いたような感動の時間でした。
雪の中を歩き、木道を歩き、融雪水に覆われた木道を我夫婦だけで歩く、独占して堪能してきました。
一生の宝物の一日となり、忘れらない日となりました。
アカシボの説明下 最終行↓
|
燧ケ岳 |
アカシボ |
|
|
|
アカシボに見とれる隊長 |
後ろ 山の鼻とアカシボ |
|
|
この水芭蕉の苞は、しなやかに大きいですね。お妃さまのドレスのよう |
褐色の原の水と アカシボ |
|
|
|
尾瀬ケ原を歩いて、牛首分岐まで行こうと思った。何度と無く隊長が『行こう!行こう!』と言う。珍しく私の方が「今日はここまででいいよ。」と辞退する。山の鼻の情報と途中で行き合った我市の方の情報では、原には無かったという。
ここ研究見本園のアカシボ余韻に浸っていたかった。 |
このシーズン、トイレは男女兼用 |
最高気温22.2℃ 最低0.4℃ |
|
|
|
帰路に着く。雪の深い所でパトロール隊2名とすれ違う。赤い布を手に、腰に着けて木々に目印をしてくれていた。 |
赤い紐布 |
パトロール隊の後ろ姿 |
|
|
|
歩荷さん三人とすれ違う。山開きと同時に山小屋も開業です。忙しなく雪道を下りる歩荷さんの逞しい姿は、これも尾瀬の姿です。 |
右下 川上川 ぶつかる木の階段 |
歩荷さん!お疲れ様 |
|
山の鼻から鳩待峠までに 見た花 |
|
|
|
|
雪の融けた木の根もとに発見 |
コミヤマカタバミ |
ウスバサイシン |
大きい花 蜂が中に入っちゃうほど |
|
|
|
|
イワナシ |
エンレイソウ |
エンレイソウ 葉に厚みがある |
鳩待峠駐車場50m脇に咲く |
|
|
|
尾瀬ヶ原への登りは、結構きついものがあります。ところが今日はどうしたのでしょう?全くと言ってよい位疲れていません。山の鼻への下山に気を使い、その反面、登りは淡々と進み、所々で休憩しながら登ったお蔭でしょうか? |
鳩待峠 |
|
|
鳩待峠のご褒美”花豆ソフト”です。何時も隊長はいらないと言うのに本人から欲しいと言う。
今日は、あまりにも素晴らしいアカシボと景色を見たので、いつもとちょっと違う。 |
帰路は曇りとなりましたが日がさす |
花豆ソフト |
|
山登りを始めて二十年以上、尾瀬に足を運んで数十回、それでもアカシボを知りませんでした。
時に触れて尾瀬を知人に紹介する際 ”尾瀬に行ったと語れるのは、水芭蕉のシーズン、ニッコウキスゲのシーズン、草紅葉とスリーシーズンを体験しないと行ったことにはならないそうよ”と話した。随分おごりたかぶった説明の仕方でした。反省します。 この「アカシボ」を知らなかったのです。はい!反省です。群馬の山は、素晴らしいですね〜。尾瀬にすぐ行ける立地条件の良さもありがたいです。 |
|
アカシボとは、.尾瀬保護財団のHPには下記のように書かれています。
雪解けが進み、地面が現れる数日前に発生する現象で赤渋(アカシボ)と呼ばれています。 尾瀬研究見本園で多く見られますが、尾瀬ヶ原や尾瀬沼でも見られます。アカシボの正体や発生メカニズムについてはいまだに解明されていません。
これまでの仮説では赤色の色素を持つ藻類の増殖によるものや、鉄などの鉱物の溶けだしたものなどありました。 最新の研究ではアカシボの中に赤褐色の藻類が確認されそれがアカシボの正体と推測されています。
北海道大学低温科学研究所が17年間に渡って研究した結果、”尾瀬のアカシボ現象というのは、原始的なバクテリア(ジオバクター)が繰り広げている鉄を酸化させている特異的な生命活動の結果、春先のほんの一瞬の間、大規模に表れる奇跡の現象である”と語っています。
ジオバクターは太古の地球で生命体のいない頃のバクテリア、酸素の代わりに鉄を使って呼吸する生物です。 <記事は、我夫婦が尊敬する方のものより抜粋> |
|